
Paul Cézanne · PD
黄色い椅子のセザンヌ夫人
作品情報
ストーリー
妻のオルタンス・フィケは、セザンヌが最も多く描いたモデルである。油彩の肖像だけでおよそ30点が知られている。二人が結婚したのは1886年で、そのころにはすでに14歳の息子がいた。1890年前後には、夫はエクス、妻と息子はパリ、というかたちで別々に暮らすことが多くなっていた。
黄色い椅子に掛けたこの肖像は、同じ赤みの濃い部屋着の彼女を描いた四点の連作に属している。シカゴ、ニューヨーク、サンパウロ、そしてバーゼル近郊リーエンのこのバイエラー財団に、一点ずつ分かれて収まっている。姿勢も衣服もよく似ていて、シカゴの一点を調べた技術調査では、輪郭を別の画面から写し取った可能性が指摘された。
セザンヌが画商ヴォラールの店で最初の個展を開くのは1895年のことで、この肖像が描かれた時点では、彼の絵を実際に見たことのある人はごく限られていた。




