
Peter Paul Rubens · PD
メルクリウスと眠れる牧人
作品情報
ストーリー
この板絵は、長いあいだ別の物語を語っていました。誰かが上から描き加えて《メルクリウスとアルゴス》に仕立て直したのです。神々の使者が百の目を持つ牧人を眠らせてから殺す神話で、後ろ向きの牛と、左下で眠る犬も描き足されました。ロンドンのウィット・ライブラリーにある写真には、1924年にその姿だった様子が残っています。ボストン美術館が購入した1942年には、すでに洗浄されていました。
下から現れたのは、習作を並べた一枚でした。1630年代のはじめ、ルーベンスはロンドンの王宮ホワイトホールにあるバンケティング・ハウスの天井画を構想しており、ここではそのための人物を2体、1枚の板の上で試しています。右下の長衣の男は《王国の統合》に登場する衛士で、メルクリウスは同じ天井の別の場面《ジェームズ1世の平和な治世》に属しています。




