
Peter Paul Rubens · PD
聖イグナチウスの奇跡
作品情報
ストーリー
1620年にこの絵がジェノヴァのイエズス会教会に据えられたとき、画面の中心にいる人物はまだ聖人ではなかった。イグナチオ・デ・ロヨラが列福されたのは1609年で、列聖はこの絵の二年後、1622年になる。奇跡の場面を大きく描くこと自体が、その列聖を後押しする運動の一部でもあった。病人が起こされ、悪霊に憑かれた者が身を捩る場面が、ひとつの画面に押し込められている。
注文主はジェノヴァの銀行家ピエトロ・マリア・ジェンティーレで、ルーベンスはアントウェルペンから小さな油彩の下絵を送って了解を取り、大画面はそのあとで海を渡った。絵はいまも、そのために描かれたイグナチオ礼拝堂に掛かっている。同じ教会の内陣には、彼が十数年前に手がけた《割礼》がある。




