
Jean-Léon Gérôme · PD
ムーア風の浴場
作品情報
ストーリー
1870年までに、ジェロームは1868年に果たした最初のナイル川長期旅行を終えていて、素描や写真、衣裳、金属細工を持ち帰り、それらを使ってこのようなアトリエの場面を組み立てていた。描かれているのはハンマーム、つまり公衆の蒸し風呂の内部で、一人の女がタイル張りの階段に腰かけ、豪奢な装いの黒人の女中が真鍮の盥を差し出している。これはジェロームがのちに数多く描く浴場画の最初の一枚で、フランスやアメリカの買い手のあいだで飛ぶように売れた。彼らはそこに禁じられた官能的な東方の一瞥を読み取ったが、この場面は彼のアトリエの棚にあった品々から組み立てられたものだった。真鍮の器を、そして大理石と釉薬のかかったタイルの上を滑る光を見てほしい。彼の名を高めた、あの滑らかで写真のような仕上げで描かれている。




