
School of Peter Paul Rubens / Peter Paul Rubens · PD
ネッソスとデイアネイラ
作品情報
ストーリー
描かれているのは矢が刺さった後の場面だ。ケンタウロスのネッソスはデイアネイラを背に乗せて川を渡すはずが、そのまま連れ去ろうとし、ヘラクレスの毒矢に射抜かれた。死にぎわのネッソスは、自分の血を夫の愛をつなぎとめる薬として取っておくように、と彼女に告げる。その血は何年も後にヘラクレスの命を奪うことになる。
構図のもとはルーベンスの素描で、版画家パウルス・ポンティウスがこれを銅版に起こした。その版画をもとに1630年代の工房周辺で何点もの油彩が描かれ、本作もその一つとされている。パリの画商ジャン=バティスト・ルブランが1770年代にストロガノフ伯爵へ売った時点では、ルーベンス自筆の作品として通っていた。最初に疑いを口にしたのは批評家アレクサンドル・ブノワで、色が淡く、ためらいがちだと評した。1975年にはエルミタージュの研究者ワルシャフスカヤが、ルーベンスにごく近い画家の手によるものと結論づけ、美術館は1981年以降この絵をルーベンス派として記載している。




