
Peter Paul Rubens · PD
アンリ・ド・ヴィク男爵の肖像
作品情報
ストーリー
1620年代のルーベンスは、マリー・ド・メディシスの生涯を描いた大連作をパリのリュクサンブール宮へ納める仕事を抱え、そのかたわら各国の宮廷を行き来する使者の役目も引き受けていた。ここに描かれたアンリ・ド・ヴィックは、その仕事の隣人にあたる人物である。彼はスペイン領ネーデルラントを治めていた大公アルブレヒトとイサベルの大使として、ルイ13世の宮廷に駐在していた。制作は1625年ごろとされてきたが、その年代は後世の言い伝えに拠るもので、ルーヴル自身が確かなものとは見ていない。様式からは1610年代の終わりも、1629年にルーベンスがパリに立ち寄り、ド・ヴィックの世話になった時期も考えられる。板に描かれた縦74センチほどの小さな絵で、対になる夫人の肖像は1841年以降行方が分からなくなり、1992年にロンドンの競売へ現れてテルアビブの美術館に収まった。




