
Jacques-Louis David · PD
フランソワ・ビュロンの肖像
作品情報
ストーリー
これは、現存するジャック=ルイ・ダヴィッドの作品としてもっとも初期に近い一点である。描いたのは1769年、20歳か21歳、まだパリの学生だった頃で、のちに彼の様式を大作の歴史画にみる厳格な新古典主義へと鍛え上げるローマ行きより、ずっと前のことだ。描かれているのは伯父のフランソワ・ビュロン。ビュロンはこの若者を、堅実で世間体のよい道である建築家にしたいと考えていたが、ダヴィッドの「絵を描きたい」という願いを後押ししたのは、そのビュロンの妻だった。ダヴィッドは二人を対にして肖像に描いている。ここでの筆致は柔らかく温かで、彼が育ったロココの趣味になお近く、のちの冷たい大理石のような光はまだない。この肖像は20世紀初めまで一族の手に残り、いまは個人蔵となっている。




