
Matthieu.lett.ube · PD
イングランド王ヘンリー8世の肖像
作品情報
ストーリー
青い地に記された銘文は、1540年という年と、王が49歳であることを伝えています。ヘンリー8世にとってひどい一年でした。1月にクレーフェのアンと結婚したものの、夏には婚姻を無効にし、縁談をまとめた重臣トマス・クロムウェルは処刑台に送られました。けれども絵はそんな気配をまったく見せません。王は正面を向き、どっしりと動かず、画面いっぱいを占めています。絹の錦織、毛皮、ふくらんだシャツの袖、剣、宝石と、素材の違いが一つひとつ描き分けられています。この板絵をホルバイン自身が描いたのか、工房の助手が彼の下絵に従って描いたのかは長く議論されてきましたが、美術館はホルバインの作としています。このタイプの原型は、ロンドンのホワイトホール宮殿にあった壁画で、1698年の火事で焼失しました。そのため、この姿勢のヘンリー像はどれも、失われた原作から生まれたものなのです。




