
Gustave Caillebotte · PD
ジャン・ドレルの全身肖像
作品情報
ストーリー
左下に、カイユボットの署名と1887年の年記が入っている。描かれているのはジャン・ドレル。若いころ地方からパリに出て奉公に入り、やがてカイユボット家の執事として使用人たちを束ねる立場になった人物である。このとき五十代の後半だったドレルを、画家は全身像で描いた。黒い外套にシルクハット、両手を背中で組んだ姿は、パリの紳士の装いそのものだ。ドレルは1893年に、カイユボットは翌1894年に世を去った。その年、画商デュラン=リュエルの画廊で開かれたカイユボットの回顧展にこの絵も並んだが、題名は「T・B氏の肖像」と誤って記されていた。その後、作品はドレルの子孫の手元に残った。ひ孫のマリー=ジャンヌ・ドレルは、パリのアパルトマンでほかのカイユボット作品四点とともに、家族写真のように壁に掛けていたという。2018年に彼女が亡くなると、五点すべてがオルセー美術館に遺贈され、2019年に正式に受け入れられた。




