
Sandro Botticelli · PD
ロレンツォ・デ・ロレンツィの肖像
作品情報
ストーリー
この小さなテンペラの板絵は1492年ごろのものとされる。フィレンツェには重い年だった。四月に、豪華王と呼ばれたロレンツォ・デ・メディチが没し、修道士ジローラモ・サヴォナローラの、贅沢と虚栄をいましめる説教が、しだいに多くの人を集めていた。描かれているのは一介のフィレンツェ市民、ロレンツォ・ディ・セル・ピエロ・ロレンツィだ。平らな緑がかった地の前で、落ち着いた、どこか用心深いまなざしのほかに、彼が何者かを語るものはない。ボッティチェリはこのころ五十近く、晩年はサヴォナローラの影響を強めて、絵はいっそう厳しくなっていく。この板絵は法律家ジョン・G・ジョンソンの収集から、1917年にフィラデルフィアへと渡った。




