
Peter Paul Rubens · PD
神殿奉献(三連祭壇画右翼)
作品情報
ストーリー
これはルーベンスがアントワープの大聖堂のために描いた大きな三連画の右翼で、神殿に連れてこられた幼子キリストを、老いたシメオンが腕に抱く場面である。制作を支えた市の火縄銃手組合は、幼子キリストを背負って川を渡ったという巨人、聖クリストフォロスを守護聖人としていた。ルーベンスはこの一つの着想を祭壇画全体に通している。表側のどの場面でもキリストは誰かに担われており、ここではシメオンの老いた腕に、中央の板では十字架から遺体を降ろす男たちの手にゆだねられる。描かれたのは1611年ごろ、イタリアでの八年の修業を終えて間もなく、宗教戦争の数十年を経たアントワープの教会がふたたび美術で飾られていく時期にあたる。シメオンは、生涯待ちつづけた子へと顔を傾けている。




