
キャッツキルの川
作品情報
ストーリー
手前には、切り倒された木々のあいだで斧を持つ赤い上着の男。遠くの谷を、小さな蒸気機関車が横切っている。美術館はこれを、列車を描いたアメリカの油彩画として知られる最も古いものとしている。トマス・コールはキャッツキルの町に住んでいた。この鉄道は、1830年代の終わりに町から内陸へ延ばされたカナジョハリー・アンド・キャッツキル鉄道だとされることが多い。その鉄道はうまくいかなかった。1840年に路線の橋が崩れて一人が亡くなり、会社は破綻して、1842年には売却され撤去された。コールがこのカンヴァスに記した年は1843年。もしその路線なら、描かれた機関車は現実の谷からすでに消えていたことになる。コールは1836年、アメリカの原野を荒らす斧について書いていた。その数年前には、同じキャッツキル・クリークの一帯を、列車も伐採もない穏やかな秋の眺めとして描いており、その絵は今メトロポリタン美術館にある。ボストンのこの一枚は、注文によらず自分のために描いたものだった。




