
Paul Cézanne · PD
レスタックの岩、松、海
作品情報
ストーリー
エスタックはマルセイユ湾に面した漁村で、セザンヌが最初に身を寄せたのは1870年、普仏戦争の徴兵を逃れるためだった。以来20年近く、彼はこの海へ戻りつづける。1870年代にピサロへ宛てた手紙では、赤い屋根と青い海の対比を「トランプの札のようだ」と書いていた。この絵ではその札のような平坦さは退き、手前の岩肌と松の幹が画面を組み立てる骨組みになっている。短い筆触を並べて重ね、色そのものに奥行きを負わせるやり方である。制作年は1884年前後、所蔵するカールスルーエ州立美術館は1883年から85年ごろと見ている。そのころエスタックには煙突とタイル工場が増えていたが、セザンヌが選んだのは村の背後の斜面だった。




