
Peter Paul Rubens · PD
聖バルトロマイ
作品情報
ストーリー
この絵が描かれた1610年から1612年ごろ、アントウェルペンはようやく戦線の町でなくなっていた。1609年の休戦は12年続き、教会も個人の注文主も宗教画を再び発注しはじめ、イタリアでの八年を終えて戻ったルーベンスは市内で最も仕事の速い工房を構えていた。この時期の使徒像にはイタリアで学んだ造形がはっきり残る。重い体を画面手前に押し出し、背景を暗く沈め、光を片側から強く当てる。バルトロマイは生きたまま皮を剥がれたと伝えられる使徒で、手にした小刀はその印である。ルーベンスはそこで止める。剥がれた皮も傷も拷問の場面もなく、幅広の刃を握った老人が、話の途中で呼び止められたような顔でこちらを見ている。




