
El Greco · PD
聖ヤコブ(大ヤコブ)
作品情報
ストーリー
トレドの工房で、最晩年のエル・グレコは使徒の連作という形式をつくり替えていた。祭壇の一部としてではなく、救い主と12使徒、あわせて13枚の独立した画布として仕立てる。エル・グレコ美術館に伝わる一組はその考え方によるもので、1610年前後の制作とされる。ただし全部を本人が描いたわけではない。美術館自身が工房の関与を認めていて、どの部分をだれの手が担ったのかは、いまも研究者のあいだで意見が分かれている。画家は1614年の春に亡くなり、この連作は最後まで仕上がらなかったという見方もある。スペインの守護聖人である大ヤコブは、ふつう帆立貝と巡礼杖と鍔広帽で示される。ここでその印は左手の短い杖だけで、淡い青の衣と鮮やかな緑の外套のほうがはるかに目を引く。




