
聖マグダラのマリア
作品情報
ストーリー
福音書はマグダラのマリアを、キリストに従い、その埋葬と復活を見届けた女性として記している。のちの伝承は彼女を、キリストの足を洗って髪でぬぐった名もない罪深い女と同一視したが、ナショナル・ギャラリーはこの同一視をほぼ確実に誤りだとしている。レーニが描いたのはまさにその女性で、天を仰ぎ、長い金髪をほどき、赤いマントを肩から滑り落としながら、無地の暗い背景の前にいる。
悔悛するマグダラのマリアはレーニのもっとも成功した主題のひとつで、彼と工房は何十もの異作を生んだ。1630年ごろからは工房が人気の構図の縮小版も手がけるようになり、この絵も一時は助手の作とされていた。いまでは、玉虫色にきらめく肌と流れるような筆致から、1630年代半ばのレーニ自身の作と広く認められている。かつてはルイ14世の大臣コルベールの息子セニュレ侯爵の所有で、その後オルレアン公家に渡り、1790年代にその絵画とともにロンドンへ来た。




