
Peter Paul Rubens · PD
聖パウロ
作品情報
ストーリー
イタリアで八年働いたルーベンスがアントウェルペンに戻り、まだ二年ほどしか経たない頃の板絵である。プラド美術館の解説は、彼が持ち帰ったものをそのまま指し示す。体躯の重さはミケランジェロに由来する。硬い斜光と、誰も整えていない顔立ちは、ローマで研究したカラヴァッジョに由来する。パウロは本と剣をそれぞれ強く握り、ルーベンスは剣を画面のいちばん手前まで押し出した。だから目に最初に届くのは柄である。柄頭は獅子の頭で、美術館はこれを力の標と読む。十二使徒のうち、彼と大ヤコブの二人がもっとも正面から見る者を見据えている。支持体は樫、姿は斜め四分の三、背後の地は暗く、何も置かれていない。




