
John Constable · PD
『水門を通る船』のための習作
作品情報
ストーリー
この画布は、売るためにも展覧会に出すためにも描かれていない。コンスタブルは大きな作品にかかる前に、かならず本画と同じ寸法の油彩下絵を一枚つくった。これはその一枚で、高さは1メートル40センチある。
描かれているのはサフォークのストゥア川の水門で、右手の艀は水位が下がるのを待っている。彼にとっては見慣れた道具だった。父は製粉業者で、小麦を積んだ艀がこうした水門を抜けてロンドンへ下っていく。友人にあてた手紙で彼は、堰からこぼれる水の音、柳、朽ちた岸、ぬめった杭、煉瓦積みが好きだと書いている。
ただしこの下絵を描いていた1820年代のはじめ、暮らしていたのはロンドンのシャーロット街で、その川は百数十キロ先にあった。仕上げられた縦長の《水門を通る舟》には、1824年のロイヤル・アカデミー展の初日に買い手がついた。




