
El Greco, St. Luke, 1610. Wikimedia Commons. · PD
聖ルカ
作品情報
ストーリー
トレドで描かれた使徒が、いまインディアナにある。その来歴が絵の半分を語る。この《聖ルカ》は、エル・グレコが1610年ごろ、グアダラハラ県の村アルマドローネスの教区教会のために描いた「使徒像連作」(アポストラード)の一枚だった。連作はその田舎の教会に三世紀ものあいだ掛かっていたが、1936年から1939年のスペイン内戦が一組を散り散りにした。作品は保護のため外され、やがて売却されたのである。ルカは福音書を著し、画家の守護聖人でもあった。つまりここでは画家が自らの職の聖人を描いている。手には自分の書を持ち、晩年にクレタ出身のこの画家が極限まで押し進めた、引き伸ばされた衣の襞と冷たい光に包まれている。




