
Jean-Antoine Watteau · PD
和音
作品情報
ストーリー
ヴァトーがこの小さな板絵を描いた1715年ごろ、フランスの気分は移り変わりつつあった。その年の九月、長く荘厳な治世のすえにルイ十四世が世を去り、続く摂政の時代は、祝祭と享楽に満ちた軽やかな空気をもたらした。ヴァトーはまさにその気配を描く画家だった。ここに宮廷や大場面はない。芝居の衣装をまとった一人の楽師が、野の中に腰かけてギターの調子を合わせているだけである。画面はごく小さく、手もとで近く眺める書斎向きの小品として構想された。ヴァトー自身は体が弱く、1721年に結核で世を去った。36歳だった。木々のあいだのこの孤独な姿は、彼が愛したイタリア喜劇の世界から来ている。




