
紅海渡渉
作品情報
ストーリー
この礼拝堂の壁画の中で、作者をいちばん決めにくいのがこの一枚です。16世紀のジョルジョ・ヴァザーリはコジモ・ロッセッリの作としました。のちの研究者の何人かは、ちょうど向かいの壁に《最初の使徒たちの召命》を描いたドメニコ・ギルランダイオの名を挙げ、また別の研究者たちは、その様式に同世代のフィレンツェの画家ビアージョ・ダントーニオの手を見ています。今日ではロッセッリとビアージョの共作とされることが多いものの、決着はついていません。
物語は右から左へと進みます。右手の奥では、モーセとアロンがファラオに民を去らせてほしいと願っています。続いて海があり、エジプト軍の上で水が閉じたところです。兵士たちは15世紀イタリアの甲冑と武器を身につけ、ファラオは水にのまれながら叫び、何人かはエジプト側の岸へ泳いで戻ろうとしています。その上には暗い嵐が垂れこめ、追っ手に雹が降りそそぎますが、左のほうでは日が差し、虹がかかっています。
無事に渡りきった岸では、モーセがイスラエルの民を率いて風景の奥へと進み、手前では彼の姉、女預言者ミリアムが感謝の歌とともに弦楽器を奏でています。




