
Jan Steen · PD
豪華な室内での医者の診察
作品情報
ストーリー
この絵の若い女は病気ではなく、恋煩いである。部屋のあちこちが、それを少しずつ明かしていく。医者は脈をとり、尿の入った小瓶を持つ女中へ意味ありげな視線を送る。17世紀のオランダでは、恋の病は脈にも尿にも表れると信じられていた。念を押すように、壁には《ヴィーナスとアドニス》が掛かり、手前の少年はキューピッドの装いで矢を弓につがえている。娘の足もとの火鉢では、衣裳から取った一本のリボンがくすぶり、その焦げた匂いは気を失った者を正気に戻すために使われた。恋に病む美女と、なすすべのない医者というこの主題を、ヤン・ステーンは生涯に幾度も描いた。作品はいまロンドンのアプスリー・ハウス、ウェリントン公爵の邸宅にある。




