
Francisco Goya · PD
聖家族
作品情報
ストーリー
描かれているのは三人ではなく四人です。左に、花の咲いた杖を持つヨセフ。中央に青と薔薇色をまとって座るマリア。その膝の上には裸の幼子キリストがいて、ヨセフのほうへ手を伸ばしています。そして右から、幼い洗礼者ヨハネが身を乗り出して幼子を見つめている。画面にあるのはそれだけです。部屋も窓も家具もなく、暗い地のなかで、光は肌そのものから出ているように見えます。
この筆づかいは、まだゴヤ自身のものではありません。なめらかな輪郭と、四つの体がつくる三角形は、当時スペイン国王の首席画家だったアントン・ラファエル・メングスから来ています。聖母の青と赤さえ、その色は人物を見る者の側へ引き寄せるというメングスの考えに従ったものです。制作年は今も定まらず、一七七四年ごろとする説から一七八〇年代とする説まであります。一八七七年に国家が二千ペセタで買い上げ、数日後にはプラドに入りました。




