
El Greco, The Last Supper, 1568. Wikimedia Commons. · PD
最後の晩餐
作品情報
ストーリー
1568年ごろ、若きクレタ島出身の画家ドメニコス・テオトコプロスは、のちにトレドで知られるエル・グレコとはまだ程遠く、ヴェネツィアでティツィアーノやティントレットに学んでいた。半メートルほどのこの小さな板絵は、そのイタリア時代のものだ。ビザンティンのイコンの伝統に育った彼が、ここではヴェネツィアの色彩を試し、食卓を囲む「最後の晩餐」を密集した構図にまとめ、光と影を強く対比させている。やや引き延ばされた人体や込み入った構図には、のちの巨匠がすでにかすかに見えるが、色の温かさはまだヴェネツィアからの借り物だ。スペインでの大作より数十年前、現存する最初期の作品のひとつである。




