
栄光の救世主
作品情報
ストーリー
ヴァチカンにあった時代の大半、このキリスト像は模写か、コレッジョ派の作品と見なされてきた。疑いが晴れたのは、美術館の修復工房でクラウディオ・ロッシ・デ・ガスペリスが2011年に終えた修復によってである。彼は多くのペンティメント、つまり画家が制作中に加える描き直しに気づいていた。完成した輪郭をなぞる模写には、ふつう見られない痕跡だ。続く科学調査がこれを裏づけ、作品はコレッジョの真筆と確認された。
その描き直しには、具体的ないきさつがある。コレッジョは1525年ごろ、故郷の町のサンタ・マリア・デッラ・ミゼリコルディア聖堂の主祭壇画の頂部として、このカンヴァスを描いた。祭壇画全体は、篤く崇敬されたテラコッタの聖母像を守るための構えだった。修復家によれば、画家は完成した絵を床から約2.5メートルの高さに取り付けてから修正を加えたという。下から見上げて遠近法の誤りに気づき、キリストの胸、腕と前腕、右手の指を広げたのである。新しい絵の具はすでに完全に乾いていた空の上にじかに置かれ、二つの層は混ざり合っていない。
1613年に信心会がこの絵を売り、1666年にはヴェネツィアの公営くじの賞品になった。教皇庁政府が1829年に買い取り、1832年から展示されている。2024年には数か月間カステル・ガンドルフォの教皇宮殿で公開され、その後この展示室に戻った。




