
Peter Paul Rubens · PD
旧約の犠牲
作品情報
ストーリー
左の祭壇に捧げられた子羊は、ユダヤの律法に定められた犠牲であり、キリスト教の神学はこれをキリスト自身の犠牲の予型と読んだ。この板絵は、1620年代半ばにルーベンスがマドリードの修道院のために下絵を手がけた、聖体をテーマとするタペストリー連作の一点のための油彩スケッチで、織り上がったタペストリーはいまもその修道院に伝わっている。画面右下の隅には、描きはじめの跡が残る。彼はまず茶色の絵具で主な形を割り付け、そのうえで鮮やかな色彩を重ねたが、最初の段階で引いた女性の腕の輪郭がいまも透けて見える。スケッチはやがてイギリスに渡り、チャールズ2世に仕えた政治家サンダーランド伯ロバート・スペンサーの所蔵となった。大陸で絵を買い集めてオルソープの館を飾った人物である。子孫が長く受け継ぎ、ダイアナ妃の祖父にあたる第7代スペンサー伯がロンドンの画商アグニューに売った。1961年にボストンの収集家ウィリアム・クーリッジが買い取り、1985年に美術館へ寄贈した。




