
Made in El Greco 's workshop · PD
救世主
作品情報
ストーリー
ドメニコス・テオトコプロスは、ヴェネツィアやローマを見るよりずっと前に、クレタ島で古いビザンティンの流儀に従ってイコンを描いて育った。1590年代には、反宗教改革期スペインの精神的な都トレドに落ち着いていた。1594年ごろ、彼はこの救世主を「アポストラード」、すなわちキリストと十二使徒からなる連作のために描いた。横に並べて掛けるためのものだった。キリストは右手で祝福し、左手を球体の上に置く、世界の救い主である。連作の中で、正面からこちらを見つめるのは彼ただ一人で、使徒たちはみな彼のほうへ身を向けている。この正面性を、エル・グレコは少年期に学んだイコンの、静止して正面を向くキリストから受け継いだ。長く伸びた指と、冷たく、ほとんど此岸のものとは思えない光は、すでに誰もが彼のものと見分ける手法になっている。




