
Sandro Botticelli, The Story of Virginia, 1501. Wikimedia Commons. · PD
ウェルギニアの物語
作品情報
ストーリー
1500年ごろ、ボッティチェッリはもう時代遅れの画家だった。少し前までフィレンツェは、厳格な説教師サヴォナローラの影響下にあり、彼の甘やかな神話画の居場所は狭かった。この横長の板絵は、肩の高さの壁にはめ込む家具装飾、スパリエーラとして、ヴェスプッチ家のために描かれた。対になるルクレティアの物語は、いまボストンにある。絵は一本の物語の帯のように読む。同じ若い女性ウェルギニアが、画面のあちこちに繰り返し現れる。歴史家リウィウスによれば、権力を握る役人が彼女を奪おうとし、父親は娘の名誉を守るため、街路で自らその手にかける。ボッティチェッリは、厳密に一点へ収束する建築の中に場面を詰め込み、物語全体を一つの空間で進めている。




