
Diego Velázquez · PD
バッカスの勝利
作品情報
ストーリー
宮廷画家ベラスケスが、初めて神話を主題に選んだ作品である。1629年、イタリアへ発つ直前に描かれた。ぶどうの葉の冠をかぶった酒の神バッカスが、ひざまずくひとりの男の頭に冠を授けている。だがその場に集まっているのは、神々でも英雄でもない。日に焼けた顔で笑い、こちらへ杯をかかげる、そのへんの農夫や労働者たちだ。半裸で優美に座るバッカスと、粗末な身なりの生身の男たちが、ひとつの画面で肩を並べている。ベラスケスは神話を天上から引きずり下ろし、スペインの居酒屋のような場所に据えた。中央でこちらを見て笑う男の、欠けた歯まで容赦なく描き込まれている。




