
Paul Signac · PD
井戸端の女たち I
作品情報
ストーリー
1892年5月、シニャックは自分の船でサン=トロペに入った。大西洋から南フランスのミディ運河を抜けて、一か月近い航海だった。当時のサン=トロペは漁港である。その夏、港を小さな画面で何枚も描いたあと、彼は人びとが争わずに暮らす社会を主題にした大きな装飾画の構想に入る。パリの彼の周りには、ジャン・グラヴの新聞に集まる無政府主義者の友人たちがいて、同じ年、市内では爆弾事件と取り締まりが続いていた。その大構図の最初のスケッチのひとつに、井戸で水を汲む二人の女が出てくる。シニャックはこの二人だけを取り出して独立した一枚に仕立てることにし、この小さな習作はその途中で描かれた。完成作は1893年春のアンデパンダン展に出され、題名には「薄暗い場所のための装飾パネル」という但し書きが付いていた。




