
Ivan Shishkin · PD
松林。ヴャトカ県のマスト材の森
作品情報
ストーリー
題にある「マストの森」は詩的な言い回しではなく、林業の用語である。帆船の帆柱に使えるだけまっすぐで背の高い松が揃った林を、ロシアではそう呼び分けていた。シーシキンは1871年の夏を生まれ故郷のヴャトカ県エラブガで過ごし、そこで描きためた写生をもとに、翌年この大きな画面を仕上げている。
1872年、ペテルブルクの美術奨励協会の展覧会でこの絵は一等賞を受け、トレチャコフがそのまま買い上げた。幹の太さも樹皮の傷み方も種類ごとに描き分けられていて、その正確さは同時代からよく話題になった。彼は森を眺める場所としてだけでなく、調べる対象として見ていた。26年後、亡くなる年に、彼はもう一度エラブガ近郊の松林に戻り、《船材の森》を描いている。




