
Viktor Vasnetsov · PD
イーゴリ公の合戦の後
作品情報
ストーリー
1880年、ヴァスネツォフが移動派の展覧会でこの絵を出したとき、仲間の画家たちの何人かは戸惑いました。当時のロシア美術は厳しい社会的リアリズムに満ちていたのに、ここでは戦場がまるで子守唄のように描かれています。倒れた戦士たちが草の上に安らかに横たわり、頭上には赤みを帯びた巨大な月、高くには猛禽が輪を描いて舞う。主題は12世紀の叙事詩『イーゴリ遠征物語』から取られ、遊牧民ポロヴェツ人への、敗北の定まった遠征を語ります。それまで手堅い風俗画家だったヴァスネツォフは、この一枚を境に、その後の生涯を捧げることになる古いロシアの伝説へと向かいました。死者たちのあいだになお咲く野の花は、彼自身の付け加えで、中世の詩の哀切な調べから汲まれたものです。




