
鹿の群れを狙う黒豹
作品情報
ストーリー
ジェロームはこの絵の左下に1851年の年記と署名を入れました。まだ二十代で、ヨーロッパの外へ出たことは一度もありませんでした。情景は想像の産物です。ジャングルにすむ黒豹が、狩りなどしそうにない開けた土地の、灌木の茂る岸辺を這うように進み、夕焼け空の下、遠く水辺で草をはむ鹿の群れに迫っています。ジェロームは大型の猫科動物を、パリの植物園ジャルダン・デ・プラントの動物園で知り、そこでライオンやトラを観察しました。のちに北アフリカで猛獣狩りをし、自宅で珍しい動物を飼うようにもなります。
彼はこの絵を詩人で批評家のテオフィル・ゴーティエに贈りました。1872年にゴーティエが亡くなると、絵は1873年1月、パリの競売場オテル・ドゥルオーで彼の旧蔵品とともに売られました。そこで買ったのがボストンのナイヴェット・ウィンスロップ・シアーズで、絵はその一族のもとに残り、1930年に匿名の寄贈で美術館に入りました。




