
Giovanni Battista Tiepolo · PD
キリストの降架
作品情報
ストーリー
ティエポロがこの絵を描いたとき、彼はすでに長くマドリードに暮らしていた。1762年、ヨーロッパで最も名高いヴェネツィアの装飾画家として、スペイン王カルロス3世に招かれ、新しい王宮の天井画を手がけるためにやって来たのだ。故郷ヴェネツィアへ戻ることは二度となかった。晩年のスペインでは宮廷の好みがすでにメングスの冷たい古典主義へ傾き、老いたバロックの巨匠は次第に脇へ追いやられていた。この小さな祈りのための絵はその時期のもので、十字架から降ろされたキリストの亡骸を、天井画のような躍動とは無縁の、抑えたやさしさで描いている。作品はのちにポルトガルのピント・バスト家に伝わり、2007年にポルトガル政府が購入、2008年からリスボンの国立古美術館に展示されている。




