灰色の枢機卿

灰色の枢機卿


作品情報

制作年
1873
技法
油彩・カンヴァス
種類
絵画
寸法
68.6 × 101 cm

ストーリー

題名はあだ名です。ルイ13世のもとでフランスを動かしていたリシュリュー枢機卿は緋色をまとい、猊下(エミナンス)と呼ばれていました。その最側近だったフランソワ・ルクレール・デュ・トランブレ、通称ジョゼフ神父は、灰色の質素な修道服を着たカプチン会の修道士です。そこから「灰色の猊下」というあだ名が生まれ、日本語では「灰色の枢機卿」として、表に出ずに実権を握る人物を指す言葉になりました。ジョゼフ神父は高い官職に就くことなく、枢機卿の外交の多くを取り仕切っていました。ジェロームが描いたのは、パリのリシュリューの館、今のパレ・ロワイヤルの大階段を、本に顔をうずめたまま下りてくる神父の姿です。下から上ってくる華やかな身なりの廷臣たちは、帽子を取り、深々と頭を下げています。神父は彼らに目もくれません。制作は1873年。パリの画商グーピル商会は最初、在庫台帳にただ『ジョゼフ神父』と記しました。数週間のうちにニューヨークの収集家ジェームズ・ステビンズが買い取り、1874年のパリのサロンには彼が貸し出して出品されています。30年後、ボストン美術館がニューヨークの競売で1万6000ドルで購入しました。

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