
Jean-Honoré Fragonard · PD
ラ・ジャンブレット
作品情報
ストーリー
「ジャンブレット」とは輪の形をした小さな焼き菓子のことで、絵の中の娘はそれを爪先にのせ、小犬をじらしている。フラゴナールがこの場面を描いたのは1770年ごろ、裕福なパリ人の私的な小部屋のためだった。彼らは気の利いた、少し際どい絵を好んだ。軽やかで戯れるようなこの趣味は旧体制末期のもので、名作《ぶらんこ》を生んだのと同じ世界のものだ。それから20年ほどで、この貴族的な享楽の文化はまるごと革命と、より厳格な美術の流行に押し流されていく。筆は自由で素早いままで、ばら色のカーテンも黄色い絹もほんの数筆で示すにとどめている。この絵はどの版にも署名がなく、何点描いたのかも定かではない。




