
Nicolas Poussin · PD
ハガルと天使のいる風景
作品情報
ストーリー
1660年代のはじめ、晩年のプッサンはローマで四季の連作に取り組んでいました。アダムとイヴ、ルツ、大洪水といった聖書の場面を、広大な風景のなかに小さく収めた絵です。同じ頃に描かれたこの作品の主人公は、アブラハムの子を身ごもったエジプト人の女奴隷ハガルです。旧約聖書の創世記によれば、女主人サラにつらく当たられた彼女は荒れ野へ逃げ、シュルへ向かう道の泉のそばで天使に呼び止められ、戻るように告げられます。のちに息子イシュマエルとともに追放される場面もありますが、プッサンが選んだのは、ひとりきりで逃げたこの最初の場面です。縦長の画面を支配するのは重い雲の下の荒々しく暗い自然で、ハガルは左下に小さく、いまにも画面の外へ出ていきそうです。明るいのは、日の光を受けた上空の天使だけです。




