
聖アントニウスの誘惑のある風景
作品情報
ストーリー
フェリペ4世は1630年代の初めにマドリードの東のはずれにブエン・レティーロ宮を建て、次はそこを絵で埋めなければならなかった。1635年頃、注文はローマのスペイン大使館を通して出され、当地で働いていた六人ほどの画家、クロード・ロランやプッサンらが、自分たちの誰一人として見ることのない広間のために風景画を描き始める。これはクロードの一点で、1638年頃の作。彼にはめずらしい夜の絵である。光源はアーチの奥の月で、廃墟の内側では悪魔たちの小さな火が赤く燃えている。聖アントニウスは木の根もとに座っている。この人物像については、研究者マルセル・レートリスベルガーがクロード本人ではなく助手の手によるものと判断したが、美術館は今も留保なしにクロードの作としている。クロードは完成作を写した素描帳もつけていた。模作が出回りはじめたとき、どれが自分の絵かを証明するためである。この構図はその32番にあたり、彼自身の手で「スペイン国王のために」と書き入れられている。




