
川辺の水車小屋
作品情報
ストーリー
1943年7月、戦争のさなかに、この風景画はロンドンのクリスティーズでサー・バークリー・シェフィールドのコレクションから競売にかけられました。そのときの目録では、オランダの画家ファン・エーフェルディンゲンの作品とされていました。翌年、画商クーツァーがこれをクロード・ロランの作としてボストン美術館に6000ドルで売り、1945年には同館の絵画部長W・G・コンスタブルが、クロードの初期作品をめぐる論文で紹介します。根拠の一部は画面そのものに書かれています。左下の倒れたペディメントに署名と年記の痕跡があり、年記は163と読めそうですが、その先は擦れていて確かには読めません。美術館は疑問符つきで1631年としています。この読みが正しければ、クロードがローマに落ち着いて数年後の、知られているなかで最も早い作品のひとつということになります。やわらかな空の下、川が水車小屋のそばを流れ、水面には舟、遠くには丘が見えます。左手では一人の画家が腰をおろし、山羊の乳をしぼる少年をスケッチしています。田舎の日常の小さな場面が、眺めのなかにそっと置かれているのです。こうした風景は、オランダやフランドルの画家を含め、ローマで活動した次の世代の画家たちに深く愛されました。




