
エジプト逃避途上の休息
作品情報
ストーリー
聖家族はエジプトへの道すがら休みをとっていますが、その姿はほとんど探さなければ見つかりません。ここでの本当の主題は風景だからです。この小さな樫の板絵は、ヨアヒム・パティニールの周辺から生まれました。16世紀初めのフランドルの画家パティニールは、本当に新しいことをやってのけた人物です。彼は風景に物語を呑み込ませました。高い視点から見わたす広大な世界を築き、地平へ溶けてゆく青い遠景の中に、聖なる人物たちを小さく置いたのです。画家も買い手もこれを好み、その手法はアントワープの工房へ急速に広まりました。だからこそ、この一枚も本人の手ではなく、その時代に近い追随者の手で生まれ得たのです。マリアと幼子が前景で休み、その背後に世界が開けています。板の幅はわずか半メートルほどで、2015年に地元の一族の財団からバーゼルへ入りました。




