
Paul Signac · PD
シャトー・ガイヤール、私の窓からの眺め、プティ=アンドリー
作品情報
ストーリー
1886年の夏、22歳のシニャックは6月から9月まで、セーヌ河畔の町レ・ザンドリに滞在しました。途中からは、印象派の画家カミーユ・ピサロの息子で、自身も画家を志していたリュシアンが加わっています。この絵は、シニャックが泊まっていた部屋の窓からの眺めです。手前には木々に半ば隠れたマンサード屋根のれんが造りの家、その上に白い岩肌の丘、そして頂にはガイヤール城の廃墟がそびえます。イングランド王でノルマンディー公でもあったリチャード1世、いわゆる獅子心王が1196年から1198年にかけて築いた城で、1204年3月、フランス王フィリップ2世の軍勢による長い包囲の末に落ちました。空は規則正しい短い筆触、木の葉はより自由な緑の斑点で描かれ、色を小さな純色のタッチに分ける新しい方法を、若い画家が手探りしている様子がうかがえます。この夏に描いた十点の油彩のうち、セーヌ川が描かれていないのはこの一枚だけです。




