
主と使徒たちの晩餐
作品情報
ストーリー
1650年のミラノの財産目録は、この絵をヴェロネーゼの作としています。街の案内書もそれを繰り返し、1674年のカルロ・トッレ、1737年のセルヴィリアーノ・ラトゥアーダまで同じでした。のちの目録はティツィアーノその人の作にしています。1908年以降は工房説に落ち着きました。ティツィアーノが1557年から1564年ごろにスペイン王フェリペ2世のために描き、エル・エスコリアルに納められた晩餐図の、縮小した写しという見方です。1981年、修復後の画面とX線写真を見たカルロ・ベルテッリは、制作の途中で手を入れた跡を根拠に、これはティツィアーノ自身がその注文のために用意した原型だと論じました。決着はついていません。だからこの絵は、ここに作者名のないまま掛かっています。役割のほうは疑われていません。エル・エスコリアルの画面は今では読み取りにくく、もとの姿をたどる手がかりがこの小さな一枚です。




