
Johannes Vermeer · PD
恋文
作品情報
ストーリー
17世紀オランダの家の中を、フェルメールはしばしば戸口ごしにのぞくように描いた。この絵もそうで、手前の薄暗い廊下から、明るい奥の部屋が額縁のように切り取られている。奥では、身なりのよい女主人が撥弦楽器を膝に抱え、そばに立つ召使いから一通の手紙を受け取ったところだ。二人の視線がふと交わる。壁には荒れた海を行く船の絵が掛かっている。当時、海は恋する者の心を、船は待つ人への便りを暗にほのめかす図柄だった。手紙の中身は描かれないまま、女の表情に小さなためらいがよぎる。この絵は1971年にブリュッセルで額から切り取られて盗まれ、傷を負って戻ってきた。今はアムステルダムの国立美術館にある。




