
Gerrit Dou · PD
いかさま医者
作品情報
ストーリー
1652年、ヘラルト・ダウはこの場面を、ライデンの城門の外で年に一度開かれる市に据えた。小さな台の上で、いかさま医者が薬を売り、いかにも公式の免状らしきものを振りかざし、卓には小瓶が並ぶ。その脇には猿が一匹。信じる者を皆おちょくっているのだ、という古くからの符牒である。ダウはライデンの細密画家の一人で、この人たちは小さな画面をきわめて緻密に仕上げた。彼は自らもこの場面に描き込み、左手の窓から身を乗り出してパレットを手にする。まるで、幻を売る自分の稼業を、詐欺師の稼業と並べて量ってみせるかのように。小瓶も羽根も顔も、どれも同じ辛抱づよさで磨き上げられ、そのため詐欺師の値打ちのないがらくたこそ、画中で最も真に迫って見える。




