
Eugène Delacroix · PD
ラザロの復活
作品情報
ストーリー
1850年に描かれた、高さ60センチほどの、ドラクロワの宗教画のなかでも小ぶりな一点である。ヨハネによる福音書の一場面、すなわちキリストが墓の入り口に立ち、死んで四日たったラザロを光のもとへ呼び戻す瞬間をとらえている。大きな祭壇画が求めるような荘厳さを、ドラクロワはこの場面にほとんど与えていない。人物たちは薄暗く土くさい空間に群がり、よみがえった男はなお半ば経帷子に包まれ、居合わせた者たちはあとずさりする。絵具は所々で薄く手早く置かれ、磨き上げた細部よりも、布や肌の上で揺れる光に注がれている。晩年の彼はこうした福音書の場面へ幾度も立ち返り、その多くをこの静かなイーゼル大の寸法で描いた。




