
Johannes Vermeer · PD
ワイングラス
作品情報
ストーリー
17世紀のオランダは、交易で富をたくわえた市民の共和国だった。その市民たちは、日常のひとこまに道徳の教えをしのばせた絵を好んだ。フェルメールが1658年ごろに描いたこの室内も、その一つである。赤い服の女性がグラスを傾けてワインを飲みほし、傍らの男は次の一杯を注ごうと、手にした水差しを構えている。誘惑の場面だ。左の窓のステンドグラスには、手綱を手にした女性の姿が描かれている。これは節制、つまり度を越さぬことの寓意で、飲み進める二人への静かな戒めになっている。女性の顔はグラスと帽子に半ば隠れ、その表情はこちらからは読み取れない。




