
読書する隠者
作品情報
ストーリー
画面の右下には「G. Dow 1661」と記されている。だがルーヴルはこの銘を疑わしいとみる。署名と年記は、18世紀に絵を大きくするため継ぎ足された板の部分にあるからだ。美術館は絵そのものを1645年頃の作としている。
継ぎ足した者は、もとの絵を延長しなければならなかった。隠者の背後の枯れ木は当初からの描写だが、その幹は新しい部分にまで描き伸ばされている。枯れ木は世のはかなさを思わせるもので、ひとり書を読む老人の姿は、荒野に退いた学者聖人ヒエロニムスを連想させた。修道服の頭巾が、彼をキリスト教の隠修士として示している。
ドイツのブラウンシュヴァイクの美術館には、頭巾のないよく似た作品がある。かつてはダウの作とされたが、いまはダウを模倣したライデンの画家のひとり、ドミニクス・ファン・トルの作とされている。ルーヴルの板絵は1869年、パリの医師で収集家のルイ・ラカーズの遺贈で収蔵された。




