
Paul Klee · PD
乾いた涼しい庭
作品情報
ストーリー
クレーは絵具で庭づくりをした。1920年代を通じて、彼はどこにも存在しない庭を何度も描いた。水彩の格子と段々に配され、半ば上から見た設計図、半ば夢のような庭である。1921年のこの一枚に、彼は場所ではなく、温度と感覚から名を付けた。年の初めの、乾いてひんやりとした庭の空気である。枡目は花壇や小道のように整えられ、涼やかで端正で、地図を読むように読み解ける庭になっている。その気配を、クレーは色と同じくらい題名によって与えた。しかもすべては、便箋一枚ほどの大きさの紙の上でのことだ。




