
Ilya Repin · PD
雷帝イヴァンとその息子イヴァン、1581年11月16日
作品情報
ストーリー
1881年、皇帝アレクサンドル2世が爆弾で暗殺され、ロシアは血なまぐさい空気に包まれていました。レーピンはその衝撃と、旅先スペインで見た闘牛の記憶から、300年前の惨劇に筆を向けます。描かれるのは、激高のあまり自らの息子を杖で打ち、致命傷を負わせてしまった直後のイワン雷帝です。我に返った父は、崩れ落ちる息子をかき抱き、こめかみから流れる血を手で押さえようとしています。見開かれた目には、正気と狂気が同時に宿っています。あまりに生々しいこの絵は、後に二度も刃と鉄棒で傷つけられ、そのたびに丹念に修復されました。息子のこめかみを伝う一筋の血は、いまも画面のなかで乾ききらず、濡れて見えます。




