
Ilya Repin · PD
予期せぬ帰宅
作品情報
ストーリー
1880年代のロシアでは、皇帝アレクサンドル二世の暗殺を機に反政府運動が厳しく弾圧され、多くの若い活動家がシベリアへ流刑になっていた。この絵が描くのは、その一人が、家族の誰にも知らせないまま、ふいに戸口に現れた瞬間である。やせて日に焼けた男が、ためらいがちに部屋へ入ってくる。ピアノの前にいた母らしき女は椅子から立ち上がりかけ、妻はふり返る。幼い子どもたちの顔には、父を覚えている子と覚えていない子の差がはっきりと出ている。レーピンはこの一家の反応を、とりわけ戻ってきた男の表情を、何年もかけて描き直した。戸口では女中が、見知らぬ痩せた男を通してよいものかと、いぶかしげに戸へ手を添えている。




